ぴあけあら

双極症当事者(ピア)で、統合失調症の当事者家族(ケアラー)。日々の記録です。

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病院放浪記② 〜うつになってから〜

 

 中学生のときを含めて24年間、メンタルの病院に通っています。いまの主治医で9人目。前回にひきつづき、遍歴をお話しします。

 

 

病院放浪記②  〜うつ発症〜

 

 大人になり、うつの症状が出て、病院とのつきあいが復活しました。

 またお世話になるとは思いもしなかったですし、こんなに長い付き合いになるなんて想像すらしませんでした。

 

 

ふたたび

 

 

 

うつ1人目:ゲバラ先生

 

 ショックな出来事があって、涙が止まらない、眠れない、食べれなくなって、心療内科クリニックを受診しました。医師とカウンセラーが2人 という体制のクリニックでした。

 

 なぜそこを選んだかというと、以前、知人から「いいよ」と聞いていたからです。リアル口コミ。そこ以外に病院の情報がなかったです。

 

小さな雑居ビルの2階でした。

 

 

 先生はこちらの訴えをふんふんと聞いていましたが、突っ込んで話を聞き出すわけではなく、わりとあっさりしていました。

 

 そして薬を処方すると言ったときに

 

 

 「気軽に飲んでくださいね。気軽に」

 

 

 と軽い口調ですが、結構な念押し、みたいな感じで言いました。

 

最初は、抗不安薬と睡眠導入剤だったと思います。

 

 

 

 症状はなかなか改善しなくて、薬はいろいろ変わりました。そのたびに先生は必ず「気軽に飲んでください」と言いました。

 

 実は、先生はユニークな経歴の持ち主でした。若い時には精神医学界の体制に反旗を翻した一派にいて、なかなか過激な活動をしたり(学界のなかで)、著名な文筆家、思想家と親交があるという方でした(あとから知った)。開業前は精神科病院の院長でした。

 

 その後、先生はご両親の介護のためにクリニックを閉院して、故郷に帰ってしまいました。

 

 

 ゲバラ先生は、なんというか…腕がいいというかセンスがある医者でした。

 

 患者の見立て、症状の変化の把握、それに合わせた薬の微調整がとても上手でした。

 病状によって治療方針を変える迅速さと、ここはこのままじっくり待とうという緩急の付け方も的確だったように思います。発病初期にこの先生に出会えて、よかったです。

 

革命家

 

 

 

うつ2人目:ちびっこ先生

 

 ゲバラ先生が帰省されて、クリニックは別の先生が、名前を変えてそのまま引き継ぎました。前の先生がいたところとは別の精神科病院の勤務医で、独立したのです。

 

 小柄で童顔。まるで子どものような見た目の先生でした。ダボダボの白衣から手足がやっとのぞいている感じ。待合室の本棚には、奥田英朗、海堂尊の本が並んでいました。2人とも医師ですね。

 

 ↓   『イン・ザ・プール』(奥田英朗著)  精神科の話。

 

 

 

 

 こちらが何を言っても「はあ」という返答で、ちびっこ先生から何か言うことはほぼありません。

 

 先生が何も言わないので、わたしは自分で調べてきたことを頼りに、

 

 わたし「この状態は、ーーということから来ているのでしょうか?」

 先生「…」

 わたし「どうでしょうか?」

 先生「…そうですね」

 

 

 なにか言うことないんかーい!

 

 薬の処方は、ゲバラ先生のときから何も変わらずにそのまま。

 副作用が出てきていたのですが、説明も特になく、わたしから「薬を変えてください」と言うまで変更はありませんでした。

 

大丈夫なの?

 

 たまたまなのですが、以前、わたしが児童相談所で仕事をしていたときに、ちびっこ先生は児相の嘱託医でした。難しいケースで、関係者プラス先生を呼んでケースカンファレンスをしました。医師の判断を仰いで方針を決めるという会議だったのですが、先生は何も言わず「何しにきたんだろう」というふうだったそうです(出席した同僚の話)。

 

先生、ご意見はないの?

 

 

 この先生にこのままかかっていいのだろうか と不安になりました。

 

 

 それでも病院を変えなかったのは、カウンセラーの先生がとてもよかったのです。

 

 

 このカウンセラーは、ゲバラ先生が自分が院長していた病院から連れてきた方でした。

 生粋の心理士ではなく、デイケアで患者さんに美術を教えていたところを、「クリニックを開業するから心理やってよ」と誘われた、というこれまたユニークな方でした。

 

 

 

美術の先生から心理カウンセラーへ

 

 

 

 

うつ3人目:決め手がない先生

 

 ちびっこ先生に不安を感じて、病院を変えようかなと思い始めました。ネットで調べて、別のクリニックに行ってみました。

 

 先生は快活な感じ。二、三回通いましたが、転院するほどの決め手がありません。病状が安定していたので、診察はいっぺん通り。

 

   先生「どうですか?」

   わたし「変わらずやれてます」

   先生「じゃあお薬そのままでいいですか?」

   わたし「はい」

 

 状態は安定しているし、たった数回では先生も様子を見ていく時期だったと思います。変える決断をする理由がなく、結局、カウンセリングを受けたいので、ちびっこ先生のもとに戻りました。

 

ここは、あのカウンセラーの先生いないし…

 

 

うつ4人目:宇宙人先生

 

 家の事情で遠くに引っ越しました。

 前に住んでいたところよりもさらに、メンタルの病院が少ないところでした。情報はなにもなく、駅前のクリニックにしました。

 

 先生は 宇宙人みたいでした。なんというか コミュニケーションがとりづらいというか、先生と目が合いにくい。先生自身がなにか特性があるのではないか という気さえしました。 

 

 この頃は、転居のストレスと家族の具合が悪くなり、わたしの病状はとても悪かったです。

 

 薬も飲んだり飲まなかったり(←これはほんとによくなかった)。とりあえず通院するのがやっとで、予約キャンセルもしょっちゅうでした。先生はどういう人か掴めないし、積極的に相談する気力がありませんでした。ただ同じ薬をもらいにいく通院でした。

どうコミュニケーションをとったらいいものか

 

うつ5人目:社長椅子先生

 

 宇宙人先生に不安を感じて、別のクリニックを探しました。ネットで見つけたところは、オレンジの屋根に白壁のおしゃれなカフェみたいな建物。

 

 中にいたのは社長椅子先生でした。

 

peer-carer.hatenablog.com

 

 しょうがなく、宇宙人先生のもとに戻りました。

 

 

 

地獄はまだこれからでした

 

 ここまでのところ、中学時代に2人、大人になって5人、全部で7人のお医者さんに診てもらってきました。

 

 いまの主治医は9人目…ということは、8人目がいます。

 

 8人目のところで、本当にひどい目に遭いました涙。

 

 

 

 次回はその話をしたいと思います。読んでくださって、ありがとうございました。つづく。

 

春なので、いまは元気です