ぴあけあら

双極症当事者(ピア)で、統合失調症の当事者家族(ケアラー)。日々の記録です。

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同級生のこと~性の多様性について~

 

 

こんにちは。

うつ当事者で、統合失調症の家族をケアしています ピケらいおんです。

 

 

今日は、性の多様性について書きたいと思います。

 

 

性の多様性「SOGI」

 

日本ではLGBTQという表現が多く見られていますが、これは性的マイノリティだけを指す用語です。

そして、本来、性のありかたはもっと多様であり、LGBTQのカテゴリーにすべての在り方が当てはまるわけではありません。

 

 

なので、これからの表現はSOGI(ソジ・ソギ)です。

Sexual Orientation and Gender Indentity(SOGI)は、「性的指向と性自認」のことです。

 

 

わたしもあなたもSOGI

 

SOGIのなかには、LGBTQも含まれます。

そして、これまでノーマルと言われていたひとたちも入ります。

 

わたしもあなたもSOGI。

一部の人たちだけを指さず、みんな、ということです。

 

そもそもこういうのってグラデーションだよね、カテゴライズなんて無理じゃね?という考え方です。

 

どんな性的指向や性的属性があろうと、みな平等で、尊重される権利があるのです。

 

 

 

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同級生のこと

 

何十年も前のことです。

HIV感染者の増加もあって、多様な性への偏見と差別がひどい時代でした。

 

 

その人は、大学の学部の同級生でした。

 

彼と呼ぼうか、彼女と呼ぼうか、あるいは性別で固定されたくないのか。

本人にもう確認することができないので、「その人」と呼びます。

 

 

同じ心理学専攻の同級生のなかに、少し目立つグループがありました。

彼らは、とても仲が良くて、心理学への好奇心にあふれていて、キラキラしていました。陰キャのわたしにはまぶしかったです。

 

 

四年生の夏休み明け。

教室で「あの子、亡くなったらしいよ」とささやかれました。

 

黒縁のメガネをかけた、穏やかでいつもにこにこしている人。

キラキラグループの一員でした。

 

 

「どうも事故らしい」

「いや、死因はわからない」

そのうちに

「自分でその選択をした」

ということがわかりました。

 

 

 

真実

 

あれから何十年も経ちました。

 

 

大学の同期数人で集まる機会がありました。

そのなかにあのキラキラグループのメンバーがいました。

 

 

「今の時代、きっと、自分のつらさを知ってもらいたいと願っていると思う」

と、その人のことを話し出しました。

 

 

その人は性的指向の悩みを抱えていたのでした。

 

性的指向とは、どの性別の相手に恋愛感情や性的魅力を感じるか ということです。

 

 

その人の実家は、地方で名の知れた名士でした。

家としきたりを大事にする一族。

 

大学卒業後は、地元に帰ってきて事業を継ぐのは当然。

縁談の話もあったようでした。

 

 

「何が理由だったかはわからない。

でも、あいつが悩んでいたのは事実だった。

どうしても親に言えないって。恋人もいたんだよ」

 

 

悲しかったし、悔しかったし、切なかった、と。

 

 

 

あいつのために、したこと

 

 

仲の良かった彼らは、遠くまで葬儀に参列しました。

 

ご両親は憔悴しきって、なぜ?と彼らに尋ねたそうです。

 

その後、ご両親は大学にも挨拶に来ました。

教授、講師、助手にも話しかけて、大事なわが子の死の理由を知りたがりました。

 

 

ですが、教授も仲間たちも、言わなかったそうです。

 

 

「亡くなるまで言えなかった、知られたくなかっただろうことを、私たちが話すわけにはいかない

 

 

アウティング(本人のSOGIの秘密を、本人の了承を得ずに暴露すること)をしなかったわけです。

 

ご両親の傷心を思うと、話すという選択肢もありました。

 

けれども、彼らはその人の気持ちを思いやって、その人の「言わない」という意思を守ることにしました。

 

 

性がどうとか、関係ない。

大事な仲間だった。

 

 

やっぱり、彼らはキラキラした人たちでした。

 

 

 

読んでくださり、ありがとうございました。