ぴあけあら

双極症当事者(ピア)で、統合失調症の当事者家族(ケアラー)。日々の記録です。

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発達障害の通院をやめて後悔

 

 


わたしの家族は、小学4年生のときに発達障害と診断されました。

しかし、一度通院をやめてしまいました。

中学生になって、精神的に不安定になり、再受診することになりました。ですが、受診先を探すのに、ほんとうにほんとうに苦労しました。

 

あのとき、通院をやめなければよかったです。

 

そうしたら、病院を探し回って、あんなに苦労することはなかったのに。

子どもにつらい思いをさせずにすんだかも…と悔やんでいます。

 

 

 ↓ 受診先がなく、たいへんだったあれこれです。

peer-carer.hatenablog.com

 

 

大変でした…

 

 

発達障害児の定期受診の意味

 

 

 

 

 

小学生のときに発達障害の診断

 

小学校四年のとき、県の発達障害児者支援センターで、「自閉症スペクトラム障害」と診断されました。その後 地域の発達外来を紹介されました。

 

 

 

月1の療育と半年に1度の診察

 

医師とは、半年〜一年に一回の診察でした。状態の変化がないか、という確認のような診察でした。

 

医師の診察とは別に、月に一回、同じ病院で療育とペアレントトレーニングに通いました。OTさん(作業療法士)が担当していました。

 

感覚統合訓練が主でした。

 

半年〜1年に一回の医師の診察。そんなに長く間隔が開くと、先生にどこから話せばいいかわかりません。

 

普段のことはOTさんに相談できていたので、それで十分、という感覚でした。

 

 

OTさんは医師の指示のもとで動くのですから、診察は当然必要なのですけれどね。

 

 

当時は服薬がなく、春休みか夏休みに予約を入れていたと思います。おじいちゃんに孫の顔を見せるようで、「面倒くさいな」とまで思っていました。

 

 

学校生活がわりとうまくいっていたので、余計にそう思っていました。

 

 

 

でも、この診察は、実はとても大事なものでした。

 

 

 

おじいちゃん先生でした

 

 

思春期、青年期の難しさ

 

心理学では、思春期のことを「疾風怒濤の時期」とか「アイデンティティ危機の段階」といったりします。

心身が大きく成長するときには、弱く不安定になりやすい。

ホルモンのバランスも変わります。

 

思春期は、誰もが心が不安定になるリスクのある時期なのです。

 

学校生活はどんどん複雑になり多忙になっていきます。

みんなが不安定ですから、友人関係はいろいろなことが出てきます。

進学、進路の問題があり、節目節目での環境の変化もあります。

 

 

小さい頃には目立たなかった特性が目立ってきたり、それまではなんとかやれてきたのに、周囲についていけなくなる場面も多くなります。

 

 

本人には強いストレスになりますし、自尊心にも関係してきます。障害理解をどうするか、という難しい問題も出てきます。

 

 

なんだか大変だ…という時期が、思春期、青年期なのです。

 

たいへん

 

 

 

不安定になるのは二次障害か?

 

発達障害、もしくはその傾向がある子どもたちの関わり方として、「二次障害を起こさないようにしましょう」とよく言われます。

 

 

では、不安定になった場合は、二次障害によるものなのか?

 

それまでの関わり方に問題があったのか?

どうなの?



 

たしかに支援する側にいたときは、そういう視点を持っていました。

実態を知らない未熟なカウンセラーでした。

 

ですが、実際に発達の特性のある子の親として、思春期を経験した結果、考えが変わりました。

 

思春期、青年期の心のバランスの問題は、

 

 

二次障害という説明だけではすまない、もっと複雑なことではないのではないか

 

 

という気がしています。

 

もっというならば、

 

 

特性のある子どもが心のバランスを崩すのは、防ごうとしても防げないことがある

 

 

と感じています。

誰でも、なにごともなく大人になるのは難しい

 

 

つまり、家庭も周囲も子どもの特性を理解して、配慮していたとしても、不安定になることはありえるのだと思います。

 

もちろん特性があっても、通り過ぎていける子もいます。

 

ですが、かなり難度が高い。そこには、運というか、偶然に近いものに助けられることもある気がします。

 

 

 

子どもが精神疾患になった家族

 

そう思うようになったのは、精神疾患の家族を持つひとたちの家族会での出会いです。

 

精神疾患のうちの一つ、統合失調症の場合は、10代、20代で発症するひとが結構います。

100人にひとりの割合なので、珍しくない病気です。

 

突然発症する人もいます。

ですが、なかには、小さい頃から生きづらさがあって…という人もいます。

いまの時代ならば、発達障害の診断が下りた子どもだったかもしれません。

 

そういう人たちが精神の症状が出るようになるなんて、

親の関わり方に問題があったのではないか、と非難する声もあるかもしれません。

 

ですが、それは的外れだと感じます。

 

 

「厳しくしすぎたんじゃない?」といわれますが…

 

 

 

 

実際には、どの親御さんも、なんというか本当に普通の方々です。

特別に厳しいとかそういう家庭は見られません。

 

むしろ、病気を抱える子どもにとても愛情深く、優しいです。

 

小さい頃からいろいろな情報をキャッチして、いいと言われればすぐそこに連れていった、という熱心な方もいます。

 

 

愛情深い家庭でも、精神が不安定になるケースは多いのです。

 

 

 

 

だからといって、二次障害のことなんてなんにも考えなくていいやー、ということではもちろんありません。

 

 

ここでわたしが言いたいことは、

 

 

もし不安定になったとしても、本人のせいではないし、親が自分を責めることはない

 

 

という意味です。

 

だいじょうぶ

 

 

不安定になるリスクに対して、家庭ができること

 

 

では、家庭ですることは何もないのでしょうか?

 

そんなことはありません。一番大事なことは、

 

 

仲良くすること

 

 

と、わたしは思います。

 

 

仲良くするためには、親は子のことを理解したほうがいいです。

 

 

特性を知って、その対応の仕方を知って、環境の調整をはかる。

子の状態に合わせて褒めたり、困っているときには助けてあげる。

 

 

もし、あなたの身近にそういう人がいたら、その人のことを好きになるし、仲良くなりたいと思いませんか?

 

一緒にドーナツ食べるのもいいし

 

一緒に遊んだり、ゲームをしたり。

おやつを食べるのもいいですし、芸人さんの話とか、youtuberの話をしたり。

 

 

深刻な話をするわけでもなく。

親が子どもを楽しませてあげる必要もなく(接待しない)。

 

 

何か一緒の時間を過ごして、何気ない会話をする。

 

 

そういう「ゆるい仲良し」でいいと思います。

 

 

仲良くさえしてしていれば、どんなことになっても、なんとかなる気がします。

 

 

とはいっても、年齢が上がったら、何気ない会話も難しくなることもあります。

 

そんな場合でも、

 

子ども時代のほんのひとときでも、仲良くした記憶があること

 

 

はのちのち重要になると感じています。

 

こんな時期もあるかも

 

 

「偉そうなことを言って、あなたはどうなの?」と思われることでしょう。

 

おっしゃる通りで、いま我が家では 家族で仲良くする時間を持とうとしています。

子どもの頃にも仲良くしていたつもりでしたが、子どもはそう思っていなかったようです…

 

とてもショックでしたが、しょうがありません。

 

いまから仲良くしようとしているところです。

 

一緒にドラマをみてます

 

 

 

 

我が家がなぜ通院しなくなったか

 

我が家の話に戻ります。

 

小学校のときに月に一回OTさん、半年〜1年に一回の医師 とやっていましたが、中学生になって、だんだんと行かなくなってしまいました。最後は次の予約をせずに、そのままになりました。

 

 

どうしてやめてしまったのか。

 


理由を考えました。

 

・医師から日常生活についての具体的なアドバイスがなく、診察が物足りなかった。

 

・OTさんが辞めてしまい、新しいOTさんと合わなかった。別のOTさんに変えてもらうことはできなかった。

 

・病院の都合で、ペアレントトレーニングがなくなってしまった。

 

・本人が通院を嫌がった。

 

・わたしの体調が悪かった。

 

・他の家族は、通院を反対していた。

 

・学校生活はうまくいっていて、元気だったので、必要を感じていなかった。

 

行かなくてもいいか…





 

通院をやめた本当の理由

 

 

もっとも大きい理由は、

 

 

わたしが子どもの障害そのものから逃げていたからです。

 

 

ですから、障害のことを本人に認識させることも進みませんでした。

 

 

「たしかに特性はあるけれど、やっていけるくらいのものではないか」

「このままうまくやっていけるに違いない」

 

と楽観したかったのです。

 

 

「どうかうまくやっていってくれ」という、親の勝手な願望でした。

 

見ないふり



実は、このときすでに、本人には困り感があったそうです。

 

他の病院、相談機関をもっと必死に探してやればよかった、と後悔しています。

 

 

 

もし、そのまま通院を続けていたならば

 

中学3年の春から精神的に不安定になり、思春期外来を探して予約は1ヶ月後。

この病院がめちゃくちゃなところで、次の病院に移るまで、実質は無治療状態でした。

 

 

 

療育はやめたとしても、せめて医師と繋がっていたら、と考えます。

 

 

もし、繋がっていたとしても、不安定になるのは止められなかったでしょう。

 

 

ですが、別の精神病院や相談機関を紹介してもらったりできたと思うのです。

そうすればきっと、もっと早く治療につなげてやることができました。

 

 

年に一回でも、通院には大事な役割があったのでした。

 

その後、療育の病院は閉院してしまいました。

 

 

10代で「なにか」があったとき

 

発達の特性がなくても、メンタルの受診が必要な子どもたちはたくさんいます。

 

それなのに、10代の子どもたちのメンタルの受け入れ先はあまりに少ないです。

だからみな苦労して、半年、一年先の予約に殺到します。

 

こういうときに、小さいころからかかっている病院があることは、すぐに対応してもらえるメリットなのです。

 

わたしは、なにかあったら改めて病院に行けばいいと考えていました。

その考えは甘かったな と思っています。

 

もとの病院は、新患の受付を中止してしまい(次の予約を取らなかったので、新患扱いになった)、受診先を一から探さなければならなくなりました。

 

 

 

 

 

受診を続ける難しさ

 

受診を続けるにあたっては、子どもの障害認識をどうするのか という大きな問題が立ちはだかります。

 

年齢が上がれば、ごまかしたり、無理矢理連れて行ったりはできません。

 

「それまでに子どもの特性の理解を深めましょう」と言われますが、そんなに簡単なことではないですよね。わたしも身を持って感じました。

 

 

親だけでもよいという医師であれば、親だけは通い続ける、という選択肢もあるかもしれません(そういう医師はあまりいないかもしれませんが)。

そうはいっても、簡単ではないですよね…



通院を続けることが難しかったら、

 

「不安定になったときには、すぐに対応してやったほうがいい」

 

と覚えておくだけでも、ずいぶん違うと思います。

 

 

 

結局のところ、うちの家族の診断名は…

 

いまの診断名は統合失調症です。

 

小さい頃のあれこれは、発達障害ではなく、統合失調症の前駆症状だったと診断されています。

 

 

それでは、発達障害という診断はなんだったのか、

 

とも思います。

 

なんだったの?

 

 

発達障害と精神疾患については、研究もまだ道半ばで、医師でも鑑別が難しかったりするようです。

 

この鑑別は、医師が治療していく際にはもちろん必要なのでしょうし、支援者がサポートの在り方を考えていくうえでも大事な観点なのだと思います。

 

 

ですが、まあ、家族としては

 

 

本人の状態に合わせてやっていくより他はないので、診断名自体はどっちでもいいや

 

 

といまは、思っています。

 

 

発達障害と統合失調症のことについては、また別のところでお話ししたいと思います。

 

まあ、ぼちぼち

 

 

 

最後に。通院を続ければよかった

 

療育もないし、特にいいことがすぐにあるわけでもないのに、なんで通院し続ける必要があるのかしら、と当時のわたしは思っていました。

 

ですが、今になってみれば、我が家の場合は、

 

 

細〜くでも通院を続けた方が、絶対によかった

 

 

と思っています。

 

今日も空は青い



 

 

この記事を読まれた方が、

 

 

「10代〜20代は不安定になりやすいから、定期通院は大事だと言ってたひとがいたなあ」

 

 

と思い出すことがあればいいな と思います。

 

 

 

読んでくださり、ありがとうございました。

 

今回はわたし個人の意見もりもりでした。おわり。

 

ありがとうございました