知り合いに、私立のエスカレーター校の高等部で先生をやっているひとがいます。
超お金持ちの学校。
有名な政治家も輩出している名門校です。
そこの女子高生たちには、共通する時代の流れがあるそうです。
それは化粧。
いまどきは、高校生はみなお化粧してるのです。少なくともその私立は。
わたしの知人は、20年以上の教師生活を通じて、ある法則を発見したそうです。
①目の時代
高校入学してすぐ、彼女たちは、目に命をかけます。
眉を細くして描き足し(やりすぎて眉がなくなっている子も)、アイブロウマスカラで眉全体に色をつけます。
マスカラ といえば、いまはまつ毛だけじゃないのですよ、眉の上にも専用のマスカラをつけます。これ常識。
アイプチで二重にして、アイラインを描き、アイシャドウ、マスカラ、つけまつげ。
お嬢様たちですから、まつエク(まつ毛エクステ)、まつ毛パーマの子もいます。
教師に目をつけられない程度のカラコンを入れる子もいます。
授業中は、手鏡で目ばかり見ています。
指の背で、まつ毛が上を向いているかをチェック。
目に集中するあまり、口元がポカンと開いているのを、授業をしている教師だけが見ています。
②口の時代。
目の時代が過ぎ去り、時代は口へ。
テカテカテカテカ、つやつやつやつや。
授業中は手鏡で口元を覗きこんでいます。口を開けたりすぼめたり。そんな百面相を教師だけは見ています。
教室のゴミ箱には、口紅がベタベタついたティッシュが山になります。
③首の時代
最終到達地です。ネックレス。
お嬢様たちですからね、一粒ジュエリー。ダイヤの子もいます。
大きすぎると、ゆるい校風でもさすがに先生からお咎めがあります。
いかにさりげなく、いかに高価なもの(自分達の中では価値がわかる)を身につけるか。
でもそこは高校生。
つい自慢したくなるのでしょう、上品と下品のぎりぎりのところで、「やや下品寄り」に落ち着きます。
首の時代が終わると、卒業です。
入学から3年間かけて、彼女たちの時代は、上から下へ下がっていきます。
20年間、みんな同じ時代の流れを経ていきました。
ところが、番狂わせが起きました。
コロナ流行です。
マスクですから、口の時代は消え失せました。
この代の生徒たちは、目の時代と首の時代を混在させて、卒業していきました。
キャンパスが同じ敷地内ですから、大学に進学した元教え子にばったり会うこともあります。
「せんせー!」とにこやかに手を振って近づいてくる彼女たち。
色とりどりの髪色。
大学生になり、髪の時代の到来です(高等部は染めは絶対禁止)。
女子高生、面白そうな生き物ですよね。
読んでくださり、ありがとうございました!