心理カウンセラーは経済的に食っていけない商売です。それなのになぜカウンセラーになろうと思ってしまったのでしょうか?ありがちですが、そのきっかけは不登校でした。
なぜ心理カウンセラーになろうと思ったのか(不登校編)
中学生のときに、友人関係のいろいろがきっかけで不登校になりました。もともと友達との付き合いは苦手でしたし、居心地のいい家とは言えなかったし。というのも、両親はメンタル持ちだったのですね。そんなわけで、おそかれはやかれメンタル不調になったことでしょう。
最初に診てくれた大学病院の小児科の先生は、魔法使いでした。
当時わたしは自分で歩けなくなってしまい、車椅子に乗って受診しました。心理的な原因で歩けなくなる症状だったわけです。わたしがつっかえつっかえ話すのをゆっくりじっくり静かに聞いてくれた。忙しい大学病院で 30分以上も時間をとってくれました。
先生は最後にわたしの両膝に手を置きました。
そしてひとこと「大丈夫。歩ける」
先生の手はとても力強く、目は優しかった。からだに温かい血が通ったような感覚がありました。
わたしは、車椅子から立ちあがって、診察室を出ました。魔法にかかった。
「わたしってなんて単純なんだろう」と自分でも思いました。物事を斜めに見る嫌な子どもでしたから。でも、シンジくん、なんだかポカポカする……
ああいう先生になって子どもたちの力になれたらいいなあ、そのためには高校に行っておいたほうがいいよなあ、とふんわり考えました。
不登校は苦しい。学校に行かないルートを探してはみたけれど、踏み出す勇気もない。だって、そっちは未知の世界。怖い。学校行くか行かないか、どっちかにするなら、学校に戻るルートの方がきっと楽だろう。要は、学校に戻りたかったのです。
でも、このまま学校ルートっていうのはなんだかカッコわるい。芸がないし、悔しい。
あんなにこじれたクラスメイトの視線。また無視されるだろうし、陰口も言われるだろうし、勉強はわかんないだろうし。あの魔空間に戻る苦労を覚悟するには、なにか強い理由が欲しい。自分を奮い立たせる理由。
そこで「将来はお医者さんになって、子どもたちを助けたい」というシナリオを描きました。
実際その思いに嘘はない。これならイける。あの教室がわたしのすべてではない。ゴールはあいつらのずっと先にあるのだ。よし カッコいいぞ。
あのときの小児科の先生、ありがとうございました。
たったたった一回の診察で、顔も名前も覚えていません。
でも、彼は絶対に魔法使いだった。
子どもに関わる人がみんなあの先生のようだったら、どんなにか世界は幸せだろうなあ〜
ここまで、中学不登校編。怖がりで小心者で、プライドが高くてカッコつけたい厨二時代。次は、「高校血迷った編」です。つづく。
読んでくださってありがとうございます。