こんにちは。
うつ病当事者で、統合失調症の家族をケアしているピケといいます。
「記事の最初に自己紹介するのいいと思う」と言ってくれたひとがいたので、今回も自己紹介から始めました☆
今日は、元心理カウンセラーの知識も含めて、いろいろな心理学的テクニックを、紹介したいと思います。
以前、このブログで、マインドコントロールについての記事を書きました。
過去に、わたし自身がマインドコントロールされかけた経験があって、そこから発展させた記事でしたけれども、わたし的には、どうも気に入らない という出来でして…
まあそもそも 満足いってる記事なんて、ないのですけれどもね。
↓ こちら お暇ならどうぞ。
もうちょっとまとめたい、と思いまして、あれこれ調べていました。
すると
「うわー こんなに心理学的テクニックってあるんだなあ」
と驚きました。
一応 元心理カウンセラーなのですけど、いやあ、知らなかったわ〜
今回は、それらを紹介したいと思います。
よろしければ、おつきあいください。
目次
- 心理学的テクニックとは
- 心理学的テクニックの紹介
- 心理テクニックは身近なもの
- 日常生活レベルでの例
- 金銭を目的とした心理テクニック
- 買い物をするときの注意
- 心理テクニックをビジネスに使おうとするひとへ
- 心理テクニックの危険な使い手
- 誘導しやすい相手を選ぶ行為は、悪意に基づく
- 一番困るテクニシャン
- おわりに
- 相談先と情報サイト
心理学的テクニックとは
「こういう言動をしたら、相手はこういう気持ちになってこういう行動をする可能性が高い」という技術のことです。
心理学の理論が用いられています。
主に社会心理学という分野で、仮説を立てて、そういうシチュエーションを作って、実験をして、結果が出て、名前がつけられています。
注意点があります。
① あくまでも、そういう結果になるひとが多かった というものです。
みながそうなるわけではありません。
②実験は、大変シンプルなシチュエーションで行っています。
リアル場面は、いろいろな要素が合わさっており、複雑ですから、必ずしもその通りにいくわけではありません。
心理学的テクニックの紹介
次のものはテクニックの一部です。
たくさんあって、いちいち読んで理解しようとしても大変(わたしがそう)。
なので、「こんなにいろいろあるんだわ~」という感じでどうぞ。
安心感を与えて、親密になる効果があるもの
・受容と共感(自分の言うことを否定・批判せず、受け入れて共感してくれると、相手に好意を持つ)
・近接性バイアス(近くにいたり、一緒に過ごす時間が長い人ほど親しみをもつ。テレビでよく見る芸人さんに親近感を覚えるとか)
・類似性(出身地が同じ、など 自分と似ている人に親近感をもつ)
こちらの要求を受け入れてもらう効果
営業、マーケティングでよく使われています。
・返報性(好意を持ってくれている人には応じてあげたくなるので、断りにくい)
・ウィンザー効果(口コミのように、第三者からの情報は信ぴょう性が高い)
・希少性(セールで「ラスト一つ」と言われると、欲しくなる など)
・一貫性とコミットメント(ある店で買ったら、次もその店で買うというように、一貫した行動をとりたくなる)
・バーナム効果(たとえば、占い師に「あなたは思いやりがあるのね」と言われると、当たってる〜と反応してしまう。誰にでも当てはまることを自分に当てはまると思ってしまうこと)
・ドアインザフェイス(門前払いという言葉からきている。最初高額なものを示して、客が断ったら、次は受け入れやすい価格のものを示す)
・フットインザドア(最初の一歩はハードルを低くする。たとえば、ネットのゲームをまずは無料なので気軽にインストールするが、のちのち課金してしまうことが多い)
・選択肢を狭める(ものがたくさんあると、かえって人は選べないので買わない。選択肢を絞ると選びやすくなる)
学習心理学を使うもの
心理学的学習(行動→褒める を繰り返すことで、行動を学習させる)
たとえば、親が子どもを躾けるときに、よいことをしたら褒めると、子どもは褒められたいからその行動をするようになります。
ちなみに、罰は、一時的な抑制になるので、危険行為を禁止するのに有効です。
でも持続効果は低く、「じゃあどうしたらよいのか」はわからないまま。
むしろ恐怖反応を引き起こし心の傷になるので、のちのち大変になってしまいます。
他者を利用する効果
これも消費活動を促すために、よく使われています。
・ハロウ効果(後光効果ともいう。有名人が使っているものはいいものに見えるとか)
・バンドワゴン効果(バンドワゴンとは、楽隊の先頭車のこと。行列には従いたくなるもの。皆が持っていると欲しくなるとか)
相手の不安を操作して、受け入れさせる効果
これをやるのは、人としてどうかと思います。
犯罪とみなされることもあります。
・驚きの利用(驚きは危険知らせるシグナルなので、直後に恐怖と不安が起きる。驚かせて不安状態にして、判断力を奪う)
・緊張と弛緩の学習(「不安状態の中で、親密な声かけなどで安心させる」を繰り返すことで、「この人は自分を安心させてくれる」と学習させ、要求を受け入れやすくする)
・脅し(これは完全に犯罪)
心理テクニックは身近なもの
わたしたちは、日常生活でこれらを意識せずに使っています。
たとえば、恋人には受容的に接するし、部下が成果をあげたら褒めるし、飲食店の口コミを見ますし、馴染みの店で商品を買います。
人間は社会的動物です。
この世に生まれて、養育してくれるひととの2人の関係からスタートし、
家庭という小さな社会で育ち、
次第に大きな社会の中で生きていくようになります。
そのなかで、心理テクニックを自然に学び、身につけていきます。
そうして学んだテクニックを、使用し、使用されることで集団生活を営んでいるのです。
日常生活レベルでの例
身につけてきた心理テクニックを、意識して使う場合もあります。
それは、相手をこちらの意図するように誘導する という目的があるときです。
その全てが悪いことではないと、わたしは思います。
たわいのないレベルのものは、倫理的に許されるものでしょう。
たとえば、洗濯を、同居家族に頼むとしましょう。
わたし「洗濯物を畳んで、しまっておいてくれる?」
家族「えぇ〜(やりたくないなあ)」
わたし「(ムカッとする気持ちを抑えて)じゃあ、畳むだけでいいから」
家族「(畳むだけなら、まあいいかな) わかった」
わたし「ありがとう。助かるわ〜(もともと畳むだけでいいと思ってた)」
これはドアインザフェイスのテクニックです。
これくらいのことは日常的によくあり、かわいいレベルの駆け引きと思います。
金銭を目的とした心理テクニック
代表は、ビジネスの場面です。
最近では、営業やマーケティングの分野で意識的に広く用いられており、研修も開かれています。
先ほど出したドアインザフェイスは、不動産の営業で馴染みのテクニックです。
最初に高額な物件を見せて、客が引いたときに、本来売り込みたい物件(さっきより価格は低い)を紹介する という方法です。
買い物をするときの注意
わたしたちが、何かを買うとき、特に高額な買い物をするときには、即決はせず、
一旦は持ち帰る
ことをお勧めします。
もし営業のひとが、心理テクニックに長けていたら、わたしたちは誘導されるままに購入してしまうかもしれません。
後悔しない買い物をするためには、まずその場から離れて
「どんな宣伝文句のチラシだった?」
「営業の態度、言葉は?」
「商品はどのように提示されたか?」
などを冷静に思い返し、なんらかの心理テクニックが隠されていないかをチェックしましょう。
心理テクニックがわかれば、
商品そのものの質だけを考えて、自分の意思で選択し、決断することができます。
心理テクニックをビジネスに使おうとするひとへ
すでにお話ししたように、ビジネスの世界では、心理テクニックが熱心に勉強されているようです。
ですが、元心理カウンセラーの視点からすると「残念だなあ」という場面によく出会います。
残念なビジネスマンたち
彼らに共通して感じられるのは、
相手に対するリスペクトの欠如
です。
ここでのリスペクトとは、「相手にも意思がある」という尊重の気持ちです。
大事なのは、相手へのリスペクト
誘導しようとするときには、相手の動きを読んで次の手をくり出していく必要があります。
自然と相手より高みに立つことになり、両者の立ち位置はフラットではなく、上下関係になります。
そもそも操作をしようと考えている時点で、すでに、上から目線になっているのですけどね。
相手より上に立ったときには、だいたい相手へのリスペクトは弱まります。
どんなひとでも、冷静であれば、リスペクトされていないことに肌感覚で気づきます。
自分に対してリスペクトが感じられない相手に、心を許すことなんてできっこありませんし、そういう人から物を買おうとする気は起きません。
もし自分が逆の立場だったらどうでしょう。
相手のいいように誘導されて、自分の意思とは言い切れない感じで物を買わされたりしたら、気持ち悪いし、腹立たしくなります。
リピーターにはならないでしょうし、たとえ商品そのものは気に入ったとしても、別の店で買うでしょう。
テクニックはあくまでもテクニックです。
人はそれぞれみんな違いますから、通用することもあれば、そうでないこともあります。
心理テクニックを使うことは否定しません。
でも、それは、自分が有利になる“かもしれない”作戦のひとつです。
「相手には、相手の意思があり、こちらの誘導に応じずに、自由に選択する権利がある」
ということを常に忘れずに。
策士策に溺れる、にならないように、ほどほどに使ってみるくらいな感じをお勧めします。
心理テクニックの危険な使い手
心理テクニックが用いられるときに、気をつけなければならない相手がいます。
次の二つです。
・犯罪行為(詐欺、ネズミ講)
・カルト
特に、気をつけなければならないのはカルトです。
〇〇信仰、△△セミナーというであったり、集団ではなく、数人、あるいは1人、という場合もあります。スモールカルトと呼ばれるものです。
カルトは、わたしたちが気づかないうちに、意思を操作して、日々の暮らし、人生を奪ってしまいます。
心理テクニックを研究し尽くしているプロフェッショナルなので、対抗するのはかなり大変です。
なので、被害者が多くて、社会問題になっています。
ところで、
カルトを語るときには、彼らによる誘導を「マインドコントロール」と言いますよね。
一方、営業マンが客を誘導するのは「営業テクニック」と言われることが多いような気がします。
でも、どちらも、
「心理テクニックを使った、相手の意思の誘導と操作」
ですから、結局は同じものですよね。
両者の違いは、
・目的はなにか
・相手の生活を侵害するか
・相手の尊厳を傷つけるか
ということなのかな、と思います。
誘導しやすい相手を選ぶ行為は、悪意に基づく
許されないことは、誘導されやすい人を選ぶことだと思います。
誘導されやすい人たちとは、判断力と意思決定力が弱い人たちです。
・子ども
・高齢者
・知的な障害があるひと
・精神の病気があるひと
・人生の苦境にあるひと
わたしが、占い師の夫婦に騙されそうになったのは、家族が統合失調症にかかって辛いときでした(おそらく、スモールカルトだった)。
どんなひとでも苦しいときには冷静な判断ができなくなります。
そういう人たちを狙って誘導する行為は、絶対にいけないと思います。
一番困るテクニシャン
心理操作がもっとも上手いのは、詐欺師でもカルトでもありません。
パーソナリティ障害を持つ、一部のひとたちです。
全員がそうだというわけではありませんが、他人の操作に長けている人たちがいるのです。
彼らは、大変な生きづらさがあるので、それを持ちながら生き抜いていく方策をとらなければなりません。
自分のサバイバルの手段として、周囲の人を誘導して操作することを身につけています。
意識はしておらず、自然にやれてしまう。いわば、天才です。
心理テクニックが一番うまいのは、間違いなくこの人たちでしょう。
おわりに
心理テクニックはいろいろあり、わたしたちもそうとは知らずに使っており、使われています。
なかには、悪意を持って、これらのテクニックが使われる場合もあります。
心理テクニックは、たいへん優れた手法で、簡単には抗えないものです。
ですから、わたしたちはライフハックとして、
心理テクニックについて知っておくこと
が大切です。
知識と情報は身を守る防具になります。
以前、わたしがスモールカルトにハマる前に逃げることができたのは、
・心理テクニックを多少は知っていた
・実例についての情報を持っていた(マスコミがある教団の手法について連日報道していた。実際に身近なひとでカルトにはまった)
のおかげだと思っています。
「自分は大丈夫」と油断しないように。
わたしも危機一髪だった経験を忘れずに、気をつけていきたいと思います。
相談先と情報サイト
少しでも「おかしいな」と思ったら、躊躇せずにすぐ相談しましょう。
・家族
・友人と知人(別のカルトに誘導されてしまう可能性もあるので、注意してください)
・消費者ホットライン(消費者庁)
・国民生活センター
・霊感商法等対応ダイヤル(法テラス)
https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03_00156.html
・警察相談専用電話(犯罪被害等相談)
警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
・厚労省(困った時の相談窓口)
・日本脱カルト協会
長い内容を読んでいただきまして、ありがとうございました。
よろしければ、またいらしてください。お待ちしています。
おわりです。