当事者家族になっていちばん苦しいときに、占い師さん的なひとと遭遇 という貴重な経験をしました。
貴重、と言えるくらいのことですんでよかったです。
↓ よろしければ 事件のあらましです。
わたしは、占いとか教えとか、そういうものがダメとかそういうつもりは全くないです。
○いたけさんの占いとか、面白いし、励まされることもあったり。
そういえば。
知人は、小学校教諭を早期退職。
占い好きが高じて、勉強をして、いまはショッピングモールのコーナーで占い師をやってます。
さすがに自分が働いていた校区ではやりにくいから、と遠くに行ってます。
漫画「ミステリという勿れ」の中では主人公が「占いは統計学です」と言っていました。なるほどね。
↓ 菅田将暉くん主演のドラマもすごくよかったです。今度映画もやりますね。
というわけで、もともとが占いに肯定的な気持ちがあったから、あの店にのこのこ出かけていったんだと思います。
一番の理由は、とにかくなんとかしたい と思ったからでした。
マインドコントロール
わたしが経験した、喫茶店でのあれは、占いではなく
マインドコントロールだったのではないか
と思っています。
マインドコントロールという言葉は、多くのひとに知られていると思います。
改めて、定義を確認したいと思います。
マインド・コントロールとは、他者によって受け手の自覚のないところで意思決定が誘導されるコミュニケーションによる心理操作のことを指します。
偽装勧誘におけるマインド・コントロール | 消費者法ニュース
よく間違えられるものとして「洗脳」があります。
洗脳は、暴力や脅迫、飢餓、監禁、薬物を使って服従させることです。
つまり、
マインドコントロールは、洗脳とは違い、
暴力・脅迫・監禁・薬物などを使わずに、
心理学の手法を駆使して、相手の行動、感情をコントロールすること
を指します。
もっとも重要なことは、
・行動や感情が、個人の意思によるものではない
・そして、本人も自分の意思ではないことに気づいていない
ことです。
厄介なことに、個人の意思なのか、そうでないか、区別がしにくいです。
いまのところ、マインドコントロールを取り締まる法律はできておらず、今後も難しいと言われています(区別がつけられないから)。
マインドコントロールの段階
わたしが体験したボンボン教(仮)事件を分析しながら、説明していきたいと思います。
↓ こちらから引用させていただきました。
[1]温かな関係構築:初期接触での承諾誘導のルール
優しくていいひとだ と思わせる段階です。
穏やかで丁寧な接客。
わたしは、マスターのことを、
ひたすらコーヒーが好きな実直で温かい人
と認識してしまいました。
そして、コーヒー一杯で長居のできる
居心地のいい場所
と感じるようになっていきました。
奥さんも、否定したり非難したりする言葉は一つもありませんでした。
「つらかったわね」「大変だったわね」とねぎらわれて、
この人はわたしの辛さをわかってくれる
と安心してしまいました。
我ながらちょろいなあ…
それくらいわたしも追い詰められていたとのでしょう。
さらに、わたしを惹きつけた要因としては、運が良ければ会える という噂です。
これは、マインドコントロール初期段階での、「希少性」という要因です。
実際に何度も通いつめるまで、奥さんには会えませんでした。
単なる偶然なのか、計算なのか、わかりませんが。
[2]未解決な問題を突きつけ不安を煽って依存させる
マインドコントロールの肝は
不安の操作
です。
なぜならば
不安が高いほどマインドコントロールが成功しやすい
からです。
なので、不安を作り出し、煽ります。
わたしの場合は、すでに相当な不安状態にありました。
つけ込むにはもってこいだったでしょう。
ここで奥さんがとった方法はすごかった。
「この子は大丈夫」
という一言です。
わたしの場合は、子どもに発達の特性がありました。
どんな親でも、子の将来は心配なものです。
ましてや、子どもに発達の特性があると言われた親は、
“この子はどうなっていくのだろう”という不安を強く抱いていることが多いです。
だから我が子のために親はなりふり構わず頑張ったりします。
そんなとき「この子は大丈夫」と言われたら、親はどんなに安心するでしょう。
よかった…
と心底ほっとします。
そうやって、わたしを一旦安心させた後で、
「原因はあなたのおじいちゃんだ」
と言いました。
ここで、わたしが愛着を持っているであろう身近な両親を持ち出したら、わたしは拒否感を持ったかもしれません。
そこで、わたしの祖父に目をつけたのだと思います。
しかも、祖父はすでに亡くなっています。
祖父について、わたしにはどうすることもできない、未解決な事柄です。
奥さんの目が急に輝いたのは、うまいシナリオが見つかったからでしょう。
[3]欺瞞的説得:鮮やかに解決するかのように幻惑する
祖父は、わたしが生まれるずっと前に自死していますから、会ったことがありません。
一族のタブーにされていたので、写真も見たことがありません。
そういうわけで、原因は祖父、と言われても、もともと気持ちは疎遠ですから、マイナスの感情を持たなくてすみます。
誰も悪者にしなくていいので、罪悪感も生じないし、憎悪も感じません。
さらに、奥さんは、祖父を悪人とせずに
供養されていない気の毒なひと
と位置付けました。
憐憫はひとを動かします。
八方塞がりのなかで
「かわいそうなおじいちゃんを供養すれば、子は治るのよ」
という道を示してきたわけです。
思いもしない原因と解決策。
自分にはわからなかった原因と解決策を教えてくれた!
この人はすごい!
しかも、これならわたしにもできる!
実は、三番目のこれなら自分にもできると思える程度の解決策 というのがポイントです。
例えば、毎日お祈りをする、とか、ここに日参しなさい、とか、これを買いなさい、とか。
あまりに難しい案だと、気持ちが離れてしまうからです。食いつかせるための妙案です。
こうして、奥さんは、自分への服従に持っていこうとしていました。
ですが、
ここで、わたしは、目が覚めて我に帰りました。
[4]リアリティ構築の偽装操作
わたしはその後店に行きませんでしたので、ここから先は未知の世界です。
もし、わたしがあの後も喫茶店に行っていたら…と仮定して、
説明していきますね。
おそらく奥さんは、ボンボン教で無事に解決した人の話をしだすでしょう。
身の上話をして
「自分たちも苦しい辛いことがあったけれど、とても幸せ」
と語るかもしれません。
実体験をあげて、信じさせようとするわけです。
地元の名士や有名芸能人の名前を出す場合もあります。
直接「俳優の○さん」ではなく、「◯さんのお母さん」というふうに、少しずらします。
その方が、よりリアルに感じさせることができるからです。
さらに、
ボンボン教は、まだ知られていないの。
有名人は知ってるのよ。さっき話した◯さんとかね。
知ることができたあなたはラッキーよ。
この機会を逃して、本当にいいの?
と畳み掛けてくるでしょう。
あなたの子どもが救われる最後のチャンスかもしれないのよ
と言われたら、親はきっと完落ちしてしまいます。
[5]実践することで錯覚的に確証される
ここまできて、奥さんは、
とりあえずやってみなさい、と行動に移すことを促します。
行き来のない親戚の家を、飛行機に乗って訪ねていくことは、かなりハードです。
奥さんはわたしを叱咤激励します。
子どもの復調の兆しが見えれば「ほら、あなたの供養が効いてるわ」
不調になれば「供養が足りない」
「この教えを、他の人にも広めることで、さらに供養になるのよ」
と言われるかもしれません。
ただ、悶々と苦悩しているより行動している方が、自分が解決に向かっていうような気になっていきます。
ハードであればあるほど、さらにのめり込んでいきます。
[6]自己犠牲:退路を断って前に進む
わたしが、子どもを放って、毎日飛行機で出掛けたら、他の家族は、不審がり、わたしを止めるでしょう。
ここまでくると、わたしの動きを止めるのはかなり難しくなっているはずです。
マインドコントロールが進んでいるからです。
家庭はすでに不安定でしたが、もっとぐちゃぐちゃになっていくでしょう。
呆れられて、わたし一人ぼっちになっていったかもしれません。
退路を断たれたわたしは、さらにボンボン教に縋るでしょう。
こうして、マインドコントロールは完成していくわけです。
なぜ、わたしは途中で気づけたのか
わたしの場合は、これまで説明してきた、コントロール第2段階まで進んでいたと思います。
奥さんの話を夢うつつで聞いていて、そのまま流されていきそうになっていました。
ところが、なんの前触れもなく、
突然、我に帰って、現実に引き戻されたのです。
なぜ、あのとき、引き返すことができたのか。
次の記事で分析したいと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。
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